初デートに水族館は、入れない
初デートに水族館は入れない。魚を見る沈黙が初対面では「気まずい沈黙」に見えるから。水族館と沈黙の設計。
ねらい初対面の沈黙を、体験にしない
初デートで水族館に行って、失敗したことがあります。
定番だから、と選びました。暗い館内で、水槽の前に並んで立って、魚を見る。最初は良かったんですが、会話が途切れると、水槽の中の静けさと、二人の沈黙が重なって、気まずくなりました。あれは、沈黙を楽しむ時間ではなく、耐える時間でした。
水族館が悪いのではありません。初対面の沈黙を、水族館という箱の中で作ったのが、失敗でした。
水族館は、沈黙を作る場所
水族館は、会話が要らない場所です。
- 魚を見ている間は、黙っていても自然
- でも、初対面で黙ると、「話題がないのかな」とお互い思う
- 水槽の前で立ったまま、次の水槽へ移るまでの間が、沈黙になる
会話が要らない場所は、相手を知らない段階では、沈黙の入れ物になります。水族館の静けさは、二人の間を埋めません。むしろ、沈黙を目立たせます。
水族館で、何が足りなかったか
水族館で起きていたのは、次のことでした。
- 立ちっぱなしで、目線を合わせる場所がない
- 魚を見ることに集中すると、相手と話す入口がない
- 「きれいだね」と言ったあと、次の言葉がない
これらは、カウンターの並びの席(カウンターに並んで、座る)があれば起きないことでした。カウンターには、正面の景色と、向き合わずに話せる環境があります。水族館には、それがありませんでした。
水族館に行くなら、いつか
水族館は、二回目以降にしています。
一度会っていれば、黙っていても気まずくないし、「あの魚、良かったね」を、水槽の前で言えます。沈黙を楽しめる関係になってから、水族館は機能します。
初対面のうちは、会話が要らない場所ではなく、会話が起こる場所を選ぶのが、私の設計です。
外した話
水族館のあとに、カフェを挟んで挽回しようとしたことがあります。
水族館で気まずかったぶん、カフェで盛り返そうと、話しすぎました。水族館で削れたものを、カフェで倍返ししようとして、バランスが崩れました。場所は、挽回するために二つ入れるより、最初から一つで正しく選ぶほうが良かったです。
水族館は、初回には入れない。それが、今の私の結論です。
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